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2016年に本当に読んで良かった本まとめ / 今年読んだ50冊の中からおすすめ18冊を厳選して紹介

2016年はたくさんの本を読みました。年間で50冊以上は読みましたが、かなりの良書に出会うことができたと思います。

僕はAmazonのヘビーユーザーですが、今やAmazonで買うものの8割が本です。本を買いすぎてどうしても積ん読になりがちなのですが、休日はできるだけ家やカフェで読書をし、何としても買った本を消化するようにしています。ジャンルにはこだわっておらず、小説からマンガ、ビジネス書からサイエンスの専門書、雑誌から写真集まで幅広く読みます。

一年の読書のまとめとして、今回の記事では2016年に読んだ中で是非とも皆さんにおすすめしたい良書だけをランキング形式で紹介しようと思います。

 

2016年に読んで本当に良かった本ランキング

18. スティーブ・ジョブズ(コミック版)

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Apple創業者スティーブ・ジョブズの功績や人生についてはある程度知っていたものの、彼についての本を今まで読んだことがありませんでした。

彼の自伝は正式に出ているものの、500ページ近い物が上下巻に分かれているという大長編です。彼の人生について興味はありましたが、特にファンでも無い限り読むのが大変そうだったので読むのをためらっていました。

そんなときにコミック版を見つけて読んだのですが、彼の人生や考え方を効率よく、抽象的に学ぶことができました。彼の功績、破天荒な性格、ビジネス感覚や美意識について、重要なことだけを抽出している良書です。絵もかなりリアルなので、ノンフィクションの映画を見ているように気持ちよく読み進めることができます。 

スティーブ・ジョブズ(1) (Kissコミックス)

スティーブ・ジョブズ(1) (Kissコミックス)

 

  

17. ぼくは愛を証明しようと思う。

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恋愛のセオリーについて体系化した恋愛工学についてまとめられた本です。ここで紹介されているテクニックが現実世界で使えるかどうかは別として、単純に小説として面白いです。

男性諸君は当然読むべき本ですが、女性が読んでも面白いと思います。実際、会社の同僚の女性に紹介したらかなり評判が良かったです。この恋愛工学を使ってアプローチしてくる男性も結構いると聞いたときは驚きました。

読み終わると自分が恋愛のプロになった気がしますが、実際に使えるかどうかはあなた次第です(僕は使うことができていません)。 

ぼくは愛を証明しようと思う。

ぼくは愛を証明しようと思う。

 

 

16. 経営の教科書―社長が押さえておくべき30の基礎科目

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会社の経営陣としての思考のあり方を学べる本です。

大企業になればなるほど会社の理念などはないがしろになり、末端社員に至っては理念さえも覚えていないなんてことはよくあることだと思います。そんな状況に覚えがあるすべての人におすすめです。

この本では理念や判断基準といった会社の経営層が拠り所とするべきことが、わかりやすくまとめられています。社長などの会社の経営層だけでなく、マネジメントを必要とする人間は一度は読むべき本です。 

経営の教科書―社長が押さえておくべき30の基礎科目

経営の教科書―社長が押さえておくべき30の基礎科目

 

 

15. とんかつDJアゲ太郎

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去年の年末にこの漫画の1巻を初めて読んだのですが、改めて読むとかなり奥が深いと思い、選びました。

とんかつとDJを重ね合わせてしまうというのは究極のアナロジー思考とも言うべきです。一見全く関係ない物に共通点を見出し、作品としてしまう作者の抽象的思考力に脱帽です。

絵の絶妙な下手さ加減も愛着がわきます。

とんかつDJアゲ太郎 1 (ジャンプコミックス)

とんかつDJアゲ太郎 1 (ジャンプコミックス)

 

  

14. Pen ゴッホ、君は誰?

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美術が好きでない人もゴッホの名前は聞いたことがあると思います。

Penのゴッホ特集では彼の生い立ちや代表的な作品が、美術に詳しくない人に対してもわかりやすくまとめられています。ゴッホ入門書としてもおすすめです。

常に苦悩しながら生きたゴッホの気持ちを想像しながら、彼の軌跡を辿る旅に出たくなります。 

Pen(ペン) 2016年 11/1号 [ゴッホ、君は誰?]

Pen(ペン) 2016年 11/1号 [ゴッホ、君は誰?]

 

 

13. 西洋美術史入門

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美術館に行くのは好きだけど、実際に言っても「へー」程度で終わってしまう。そんな人におすすめの本がこちらです。

芸術というのは非常に奥が深く、現在にも語り継がれる芸術作品の多くは時代背景や風習、宗教などと複雑に絡み合っています。

この本ではいくつかの作品例を取りあげ、その作品からはどういうことが読み取れるのかと言ったことを丁寧にわかりやすく解説しています。全てのジャンルを網羅的に取り上げているわけではありませんが、芸術作品の正しい鑑賞方法について学べることが多い本です。

今後美術館に行く前に、一度読んでおきたい本です。

西洋美術史入門 (ちくまプリマー新書)

西洋美術史入門 (ちくまプリマー新書)

 

 

12. コーヒー「こつ」の科学―コーヒーを正しく知るために

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コーヒーについての本はこれ一冊持っておけば十分とも言えるほど、コーヒーについて詳しく書かれた本です。まさにコーヒーの教科書とも言える一冊で、内容を全て理解すればコーヒー博士になれます。

コーヒーの歴史や淹れ方、成分といった基本知識はもちろん、雑学的なマニアックな知識についても余すことなく書いてあるので、暇な時間にパラパラとめくるだけでも楽しいです。

僕もこの本を読みながら、豆の選定や焙煎、ドリップの方法を試行錯誤して理想の一杯を追求しています。

全てのコーヒー好きに読んでほしい、バイブル的な一冊!

コーヒー「こつ」の科学―コーヒーを正しく知るために

コーヒー「こつ」の科学―コーヒーを正しく知るために

 

 

11. 人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの

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人工知能についての本は何冊か読みましたが、この本が一番理論的でわかりやすかったです。

理論的とは言っても難解な数式等が出てくることはありません。AIの歴史や定義、私たちの社会への影響について専門家でなくても大枠を理解することができるように書かれています。

最近良く聞くディープラーニングとは何か?

人工知能は本当に人間の仕事を奪ってしまうのか?

このような疑問について納得の行く説明がされているので、それを踏まえて未来の自分の姿を想像しても面白いかもしれません。 

人工知能は人間を超えるか (角川EPUB選書)

人工知能は人間を超えるか (角川EPUB選書)

 

 

10. なるほどデザイン

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デザインについて専門的に学んだことのないすべての人におすすめです。

Appleが体現しているように、プロダクトにおいて最も大事なのは性能ではなくデザインです。これからの時代は特に、全ての人間がデザインについての知見を常識として持つべきだと思います。

デザインについての良書として、「ノンデザイナーズ・デザインブック」や「誰のためのデザイン?」がよく取り上げられます。その二冊に比べてこの「なるほどデザイン」はそこまで深掘りはされていないものの、基本的なことだけをわかりやすく抽出しているのでまさにデザイン入門の一冊目にピッタリです。

この本を読むと、「この雑誌のレイアウトはイケてないな」とか、「あの写真の構図はいいな」とか日常的に思えるようになるので是非読みましょう。文字も少ないので雑誌や写真集感覚で気楽に読めます。

(ちなみに、「誰のためのデザイン?」を読むと、公衆トイレの洗面台の水道のレバーの使いにくさに腹がたってきます。)

なるほどデザイン〈目で見て楽しむ新しいデザインの本。〉

なるほどデザイン〈目で見て楽しむ新しいデザインの本。〉

 

 

ノンデザイナーズ・デザインブック [第4版]

ノンデザイナーズ・デザインブック [第4版]

 

 

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

 

 

9. イシューからはじめよ

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ビジネス書からはこちらを紹介。問題解決のためのノウハウ本は数多くありますが、この「イシューからはじめよ」が一番良いです。

何をしても犬の道になってしまっている人は一刻も早く読んだほうが良いでしょう。仮説よりも分析よりもまずイシュー(解くべき問題)を見極めること。これで生産性は大きく変わってきます。

仮説のたて方や分析の方法、プレゼンの仕方についても上手くまとめられているので、下手なノウハウ本を何冊も読むのではなく、この本を完璧に身につけることをおすすめします。

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

 

 

8. アナロジー思考

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ビジネスに使える抽象的思考法を学びたいときはこの本がおすすめです。

アナロジー(類推)思考とは、物事を抽象化して捉えるということです。過去の偉大な科学的発見や発明の多くはアナロジー的な思考によって達成されてきました。そしてそのような考え方はビジネスにおいても非常に重要です。

僕は説明があまり得意ではありませんでしたが、このアナロジー思考を意識することで的確な例え話を使ってわかりやすい説明ができるようになりました。アナロジー思考を身につければ今までとは見える世界が違ってきます。

アナロジー思考

アナロジー思考

 

 

7. 2100年の科学ライフ

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コンピュータ、医療、ナノテクノロジーなど、いろんな分野の未来を理論的に予測した本がこちら。

こじつけや理想論ではない、納得のいく説明で未来予測がされているので単純に読んでいてわくわくします。理系の人間には特におすすめ(科学についての専門知識をもっていないとわからないことも結構多いです)。

コンタクトレンズ型のコンピュータ、病気を検知する血中のナノデバイス、カーボンナノチューブによる宇宙エレベーターなどなど。サイエンスやテクノロジーに携わる人にとっては、ロマン満載の内容がまとめられた胸アツ本です。

2100年の科学ライフ

2100年の科学ライフ

 

 

6. 日の名残り
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読んだ後でこんなにも切ない気持ちになった小説がかつてあっただろうか。そう思ってしまうほどの作品です。

人間は誰しも自分にとって都合の悪いことを歪曲し、無意識のうちに記憶から消し去ろうとするものです。でも人生が理想と違ったからといって、自分を責めたり現実から逃げていても仕方のないこと。

「人生、楽しまなくっちゃ。夕方が一日でいちばんいい時間なんだ。脚を伸ばして、のんびりするのさ。夕方がいちばんいい。わしはそう思う。みんなにも尋ねてごらんよ。夕方が一日でいちばんいい時間だって言うよ」

このセリフを読めば、先のことなど誰にもわからないのだから、やってみて失敗したのなら仕方がないじゃないかと勇気づけられます。

人生を送っているすべての人に読んでもらいたい小説です。

 

こんなセリフとか本当良い。

「でも、そうは言っても、ときにみじめになる瞬間がないわけではありません。とてもみじめになって、私の人生はなんて大きな間違いだったことかしらと、そんなことを考えたりもします。そして、もしかしたら実現していたかもしれない別の人生を、よりよい人生を──たとえば、ミスター・スティーブンス、あなたといっしょの人生を──考えたりするのですわ。そんなときです。つまらないことにかっとなって、私が家出をしてしまうのは……。でも、そのたびに、すぐに気づきますの。私のいるべき場所は夫のもとしかないのだ、って。結局、時計をあともどりさせることはできませんものね。架空のことをいつまでも考えつづけるわけにはいきません。人並の幸せはある、もしかしたら人並以上かもしれない。早くそのことに気づいて感謝すべきだったのですわ」

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

 

 

5. Walkabout

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2016年はあまり旅行もせず、写真を撮ることもパッタリとやめてしまいました。

この竹沢うるまさんの写真集は2年前ぐらいに購入して本棚に眠っていたのですが、久しぶりにパラパラとめくってみることにしました。

やはり写真はいいなあと。絵画もいいですが、素晴らしい写真には何か心を動かす力強さがあると思います。

数年前からの旅行ブームで、よく見る観光地の風景写真には飽きてしまっていました。しかし竹沢うるまさんの撮る写真一枚一枚からは、何か心が揺れるメッセージ的なものが伝わってくる気がして数時間使ってじっくりと眺めてしまいました。

この写真集をじっくりと見た後は、誰しもが穏やかな気持ちになることができます。これからは旅行に行っても闇雲に写真を撮るのではなく、自分自身にとって思い入れの深くなるような写真を撮りたいと思いました。 

Walkabout

Walkabout

 

 

4. BRUTUS あんこ好き

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BRUTUSは本屋やコンビニでよく立ち読みをしますが、ほとんど購入しません。しかし、たまにすごく面白いテーマで、肝心の内容も充実した物をぶっ込んでくるのでたまりません。

このあんこ特集は数年前から知っていたのですが、買うか買うまいかずっと迷っていて、そのうち中古でしか手に入れることができなくなっていたので諦めていました。

しかし、ある時ふと思いました。

「俺、あんこが好きだわ。」と。

次の瞬間僕の指はMacbookProのトラックパッドへと置かれていました。

紆余曲折経てついに購入したわけですが、これがあんこ好きにはたまらない。豆大福、最中、たい焼き、・・・とジャンルごとに全国の名店の一品をまとめているという、あんこマニアにはたまらない仕様となっています。

眺めているだけで口の中がよだれまみれになってくるというテロ雑誌ですが、買って間違いなく良かったです。そのうちあんこを巡る旅を計画しようと思います。

BRUTUS (ブルータス) 2013年 11/1号 [雑誌]

BRUTUS (ブルータス) 2013年 11/1号 [雑誌]

 

 

3. 進化しすぎた脳

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人間の脳について、脳科学者の池谷先生が高校生に講義をするという内容の本です。

内容が比較的わかりやすく、文章も堅苦しくないので僕のような脳科学素人も立ち止まることなくスラスラと読み進めることができます。

自分が味を感じたり、物が見えたりするのは脳のこの部分が働いているからなのか、ということを考えたりできるのは非常に面白いです。そして脳について理解をすれば、自分の限界について把握ができるので、無駄なことをする必要もなくなります。

また、人工知能は人間の脳とは全く違う仕組みであることについても、この本を読めば納得できる形で理解できると思います。

皆さんも自分自身の脳について知りましょう。

進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)

進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)

 

  

2. 秒速5センチメートル

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究極の現実逃避小説です。

学生時代にアニメ版をみたことがあり、ふと懐かしくなって小説を読んだのですが、社会経験・人生経験を積んでから読むとかなり面白かったです。

過去にとらわれてしまうのではなく、常に現実と未来を見ながら生きていかなければという気持ちになります。自分自身の姿にも重ね合わせながら読むことをおすすめしますが、一歩間違うと現実世界に復帰するのが辛くなるので、長期休みに読むのはやめましょう。

小説 秒速5センチメートル (角川文庫)

小説 秒速5センチメートル (角川文庫)

 

 

1. ぼくと1ルピーの神様

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以前インドに行ったこともあり、手に取った本がこの小説。映画「スラムドッグ・ミリオネア」の原作でもありますが、映画よりも小説のほうが数百倍面白いです。

主人公の回想という形でハラハラする展開が物語として繰り広げられますが、インドのリアルな実態について次々と明らかにされていくストーリーはスリル満点です。恐怖を感じながらも好奇心でどんどん読み進めてしまいます。同性愛、人身売買、障害持ちの物乞い、・・・。その背景にあるものを知るにつれ、自分の見たインドは全く表面をなぞっただけのものだったんだなと思い知らされました。

僕がガンジス川で見た物乞いの顔が、原型をとどめていないほどにめちゃくちゃになっていた理由は、実はこういうことがあったからなのかもしれない。実際にインドに行く前にこの本を読んでいたら、どのような気持ちで旅行をしていたのだろうと、いろいろ考えるものがありました。

別にそういう裏のインドを実際に見たいわけではないし、現在もこの本に書かれているようなことが起こっているのかはわかりません。ですが、もう一度インドに行って自分が何を感じるのか知りたくなりました。 

ぼくと1ルピーの神様 (RHブックス・プラス)

ぼくと1ルピーの神様 (RHブックス・プラス)

  • 作者: ヴィカススワラップ,ヴィカーススワループ,子安亜弥
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まとめ

今回は2016年に読んだ本としてまとめましたが、またジャンル別におすすめの本をわかりやすくまとめたいと思います。

やはり一年のまとめとして自分の読んだ本を振り返ってみると、忘れていたことなどを思い出したり、再発見ができるので良いものですね。来年もこのような記事を書くことができたら良いなと思います。